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養殖研究の歴史
Blue Revolution
クロマグロの完全養殖
クエの養殖
種苗生産
有用魚類の飼育技術開発から、産業支援型研究の実践モデルへ。
クロマグロ完全養殖を通じて、世界最高の研究教育拠点の形成を目指します。
クロマグロはマグロのなかでも最大の魚種。大きいものでは、全長3 m・体重500 kgまで成長します。また、最も味が良く、高値で取引されているため、近年は乱獲により個体数の減少がみられます。
その対策として、世界的に捕獲量の削減措置がとられるに至っています。現在、クロマグロは養殖魚も大量に流通しています。
しかしそれは天然の稚魚を捕獲して育てたものであるため、稚魚の乱獲が進めばやがて養殖魚も減少していくことが予想されます。厳しい環境のなかでクロマグロの供給を維持していくには、「完全養殖」の技術を確立することが求められます。
完全養殖は、人工ふ化した仔魚を親魚まで育て、その親魚から採卵し、人工ふ化させて次の世代を生み出していく技術。これにより天然資源に頼らず、すべてのプロセスを人工下で育てることが可能になります。
親魚
5年以上飼育して親魚とします。全長2m、体重200kg以上に成長します。
受精卵
受精した卵は水面に浮上し、それを採集します。直径約1mmほどで、1尾の雌から数百万粒の卵が採れると推定されています。
ふ化仔魚
およそ32時間でふ化します。ふ化直後の仔魚は全長約2〜3mmで、最初にプランクトンを餌に育てます。
稚魚
ふ化からおよそ20日後に稚魚となり、この頃、陸上水槽から海上の網いけすに移されます。
若魚
ふ化から約3ヵ月で全長約30cm、体重約300gに成長します。
成魚
約3年で全長1m、体重30kg以上の成魚となり、出荷されるようになります。
水産研究所は1970年にクロマグロの完全養殖に向け研究に着手。2002年6月に成功しました。
実現に32年もの歳月を要したのは、クロマグロがデリケートな魚であり、生態もよく知られていなかったためです。実現の鍵は、クロマグロを徹底して観察したことにありました。
研究の過程で人工ふ化した稚魚が突然死する原因がわかってきます。そこで、適切な飼育環境を変えるさまざまな対策を講じてきました。
そして成魚に育て上げた個体から産卵があり、完全養殖を実現しました。これは画期的な成果であり養殖研究における中核をなす技術となったことから、以後の継続研究が文部科学省の21世紀COEプログラムに採択されました。
今後研究をさらに進めることで、クロマグロをはじめ有用魚の養殖技術の向上をめざします。
世界的研究教育拠点形成のため、文部科学省が進める「21世紀COEプログラム」に、2003年(平成15年)「クロマグロ等の魚類養殖産業支援型研究拠点」に関するプロジェクトが採択されました。
クロマグロ完全養殖への取り組みが、ニューヨークタイムス(2006年9月27日)をはじめ、朝日新聞(2006年10月8日)、毎日新聞(2007年2月24日)などの中央紙や多くの地方紙に掲載されました。また、NHK「プロジェクトX」(2005年7月5日放送)、「クローズアップ現代」(2002年9月26日放送)で取り上げられたほか、イギリスBBCや韓国、台湾などの海外メディアでも紹介されました。
「クロマグロ完全養殖の技術開発」において、「平成17年度ニュービジネス大賞 優秀賞」や「2005年日経優秀製品・サービス賞 優秀賞日経産業新聞賞」を受賞したほか、農林水産大臣から「平成16年度民間部門農林水産研究開発功績者」として表彰を受けました。
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