クロマグロ等の魚類養殖産業支援型研究拠点 | 近畿大学21世紀COEプログラム
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活動報告
■データロガによる養殖魚類の産卵行動解析(マレーシア・サバ大学)
教授 坂本 亘(環境保全・資源動態グループ/水産研究所)
<目的>
近年海洋生物行動を解明するためのバイオテレメトリーが急速に発達してきた。一般には自然界における海洋生物の生態を解明するのに用いられているが、養殖魚についてもさまざまな応用が考えられる。共同研究の最初に熱帯域の重要養殖魚の産卵生態解明にデータロガを用いることにした。

ロガは平成16年4月20日から25日にかけて、マレーシアサバ大学ボルネオ海洋研究所で養殖されているアカメ成魚2尾(♀、♂)とジャイアントグルーパ成魚2尾(♀、♂)に装着された。この2魚種は、産卵について明確な周期が示され、新月と満月の翌日必ず産卵する。しかしそのルナサイクルを引き金とする生理的メカニズムは不明である。考えられる仮説は、1)積算水温一定となるリズムと月齢が一致すること、2)地磁気の変動周期がセンサーとして機能することなどがあげられる。特にボルネオ島は磁気赤道に位置し、磁束密度が小さくてその変動は月齢により影響を受けることが考えられる。

<方法>
すでに白浜養殖施設における行動実験から、ブリの体温でも環境水温より平均0.4℃高く保たれていることわかっているので、過去の自然水域での情報を当てはめるよりは、飼育条件下での基礎情報収集から始めることにした。ロガにより得られるデータは2分間隔の体温、遊泳水深、環境水温である。熱帯域であるため環境水温は周年一定で、水質管理は陸上飼育であるため潮汐とは無関係に行われている。孤立した陸上水槽内では、もし産卵に伴って体温が上昇すれば産卵時刻が推定でき、体温を変化させるための遊泳行動記録も示されるはずである。これらの記録は6月22日以降に取り出され、メールにより関係者に送付されて、今後の研究計画を決めることになっている。

<今後の予定>
地磁気の回遊・遊泳への影響は、2003年以降いくつかの魚種により報告され始めた。地磁気との関係が明らかになった際には、ニジマスで解明されたように鼻腔上皮細胞にあるマグネタイト列などの有無を検出し、学術上の成果を上げると同時に、磁力による産卵制御など養殖業面での応用も考慮する。また近年これらの機器による水産資源管理が、欧米を中心に活発化している。日本でも私が会長となって取りまとめているAsia Aquatic Biotelemetry を発展させるため、組織委員の荒井修亮氏(京大・情報)をバンコックからサバ大学に来てもらい、近畿大学と学術協定を結んでいるボルネオ海洋研究所にも参加協力をお願いした。本年度のアジアにおけるバイオテレメトリーによる成果(Wild life, Aquaculture, New device)については、国際研究集会を12月バンコックで開催する予定である。

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