クロマグロ等の魚類養殖産業支援型研究拠点 | 近畿大学21世紀COEプログラム
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活動報告
■漁業経済学会第51回大会参加報告
COE博士研究員 中原尚知(流通・経済グループ)
<はじめに>
2004年5月28、29日に独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所にて、漁業経済学会第51回大会が開催され、28日の一般報告において流通・経済部門によるこれまでの研究成果を報告致しました。報告の概要は以下の通りです。

<山本尚俊・小野征一郎「養殖マグロの流通拡大と取引の諸相」>
本報告は、養殖マグロの市場拡大過程の特質を流通・取引面から捉えることを目的とした。具体的には、(1)マグロ養殖の原産地別概況とあわせて流通量を特定し、国内マグロ市場における養殖物の位置づけを明らかにすること、(2)国内外の養殖業者と流通業者(輸入業者・卸売業者)との取引関係や東京築地・大阪本場での脂身マグロの取扱状況から流通の特徴を捉えること、(3)近年の市場価格と関連付けて需要市場の動向を明らかにすることを課題とし、「川上(生産)」・「川中(流通)」・「川下(需要市場)」の3側面から養殖マグロ市場・流通・取引等の特質を述べた。

<中原尚知・小野征一郎「クロマグロ養殖経営の現段階における特質」>
本報告の目的は、クロマグロ養殖が開始の段階から企業型の大規模経営が中心となって展開しているという点に注目して、現段階におけるクロマグロ養殖経営の特質を明らかにすることである。具体的には以下の3点について述べた。第1にクロマグロ養殖の経緯と概要について整理した。第2に事例分析をもとにクロマグロ養殖経営の現状と市場条件を整理した。第3に現段階におけるクロマグロ養殖経営の特質を明らかにした。品質やコスト、生産規模、出荷時期といった要素ごとに、これまでの魚類養殖とは異なるクロマグロ養殖経営の特質について吟味し、大規模な企業型の経営が中心となっている要因を探った。

<鳥居享司・日高健・小野征一郎「オーストラリアにおけるミナミマグロ養殖業の現状と課題」>
今回の学会発表では、世界最大の養殖マグロ生産国のひとつであるオーストラリアをとりあげた。養殖を開始した1990年代半ば以降、マグロ養殖業は順調に発展し、生産者や地域経済に非常に大きな富をもたらしてきた。しかし、2000年以降,ミナミマグロ養殖事業は伸び悩みをみせるようになった。世界的な増産によってマグロの出荷価格が下落する一方で原魚確保のコストが大幅に上昇しており、マグロ養殖業からの利幅は大幅に縮小していることが明らかになった。その要因として,生産量を規定する原魚供給に限界があること、養殖漁場拡大に限界があること、養殖業者の交渉力が弱いことなどの点にあることを指摘した。

以上のように、養殖マグロの流通、国内のクロマグロ養殖経営、海外の一事例としてのオーストラリアにおけるミナミマグロ養殖と、異なる研究視角からの報告をおこなった結果、3報告ともフロアから多くの質問やコメントを受け、活発な議論が交わされました。また,報告時間以外にも漁業経済研究者との交流を持ち、新たな研究課題も見えてきました。今後も活発な調査・分析と共に,研究成果の対外的な発表も継続していく所存です。

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