クロマグロ等の養殖科学の国際教育研究拠点 | 近畿大学グローバルCOEプログラム
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シンポジウム・セミナー

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活動報告(2009年)

第5回魚研(ギョラボ)×カフェ 近大GCOE「マグロ養殖でぼろもうけ!?」原田幸子 博士研究員(流通・リスク分析グループ)
2009年12月12日に本年度最後となる第5回魚研(ギョラボ)×カフェがあしびの郷(奈良市)のサロン会場にて開催されました。今回もリピーターの方々に加えて初めて参加してくださった方々、ご家族、学生等、多方面の方々にご参加いただき、合計23名のお客様をお迎えすることができました。

今回のギョラボは流通・リスク分析グループが担当し、『マグロ養殖でぼろもうけ!?』というテーマで、近年活発になっているマグロ養殖業を経済的な視点から2題ご報告させていただきました。

1題目は「マグロ養殖ってどんなもの?」ということで、どんなマグロがどこでどのように養殖され、どのくらい生産されているのかなど、マグロ養殖の基本的な情報をお話しました。

2題目は「マグロ養殖はこれからもうかる?」ということで近年、マグロ資源の減少により国際的な資源管理機関が次々と漁獲規制を決定するなかで、これからマグロ養殖はどうなっていくのか、本当にもうかるのかということを近畿大学の有路昌彦准教授(水産経済研究室)からご報告いただきました。

今回は本年度最後のギョラボということで、奄美大島の事業場で養殖されたクロマグロを特別に用意し、ご来場いただいたお客様に刺身で召し上がっていただきました。初めてご賞味される方も多く、脂の乗った養殖マグロは大変好評でした。テーブル討論・総合討論では、マグロ養殖業の経済性について非常に鋭い意見・質問が寄せられ、マグロ養殖業への関心の高さがうかがえました。

本年度は合計4回のギョラボカフェを通じて、ご参加いただいた方々と楽しくサイエンスを語り合い、大変有益な時間を過ごすことができました。ご参加、ご協力いただいた方々に心から感謝申し上げます。


第4回魚研(ギョラボ)_カフェ近大GCOE
「魚のコラーゲンの秘めた力」

横井謙一 博士研究員(人工種苗グループ)
第4回魚研(ギョラボ)×カフェは、2009年10月17日に奈良町あしびの郷の蔵座敷にて開催されました。

当日はあいにくの雨模様でしたが、リピーターの方をはじめ多くの方に参加して頂くことができました。最終的な参加者は18名となりましたが、ほとんどの参加者の方が早い段階で予約を入れてくださり、本企画に対する関心が徐々に高まっているように感じました。

今回は「魚コラーゲンの秘めた力」と題し、利用・安全グループから3題の話題が提供されました。前半は、「コラーゲンって何だろう?」と「魚コラーゲンの機能性」の2題で構成され、コラーゲンがとても身近なタンパク質で、様々な効果を持つことが紹介されました。特に、コラーゲンの美容効果、骨粗鬆症や高血圧の予防効果については皆さん興味津々で、それらを題材にしたクイズコーナーは楽しんでいただけたのではないかと思います。

3題目の「'養殖マグロVS天然マグロ'健康に良いのはどっち!?」では、コラーゲンの話題ではなく脂質や脂肪酸(DHAやEPA)に関する話題が紹介されました。養殖マグロに含まれる脂質は天然マグロの2〜3倍もの量があり、それゆえに脂肪酸の含有量は養殖マグロの方が豊富であることが紹介されました。このような最先端の研究内容に参加者の方も驚かれていたようです。テーブル討論や総合討論では質問が相次ぎ、改めてクロマグロに対する注目の高さを感じました。

本企画は、話題を提供する私達にとっても、大変有意義な時間を与えてくれています。自分たちの研究を一般の方にいかに分りやすく、楽しく伝えるかという点で非常によい勉強になるからです。

最後に、この実り多いイベントを開催する機会をいただいた近畿大学グローバルCOEプログラムおよび関係者の皆様に深謝いたします。


近畿大学グローバルCOEプログラム
平成21年度 第1回シンポジウム
「クロマグロ養殖業の現状と展望」参加報告
Amal Biswas助教(養殖グループ)
平成21年7月22〜24日に東京ビッグサイトで開催された「東京国際シーフードショー」において、標記シンポジウムが開催された。大西洋クロマグロやミナミマグロの急激な資源減少とが相まって、最近、国内のクロマグロ養殖生産量が増加しつつある。しかし、クロマグロ養殖は現在でも天然稚魚を種苗にして養成・生産することから、養殖生産量の増加は結果として天然資源の減少に拍車を駆けることになる。

ICCAT、CCSBT、IATTC、WCPFCなどによるマグロ類の漁獲制限が強まるなか、クロマグロをはじめとするマグロ類の産業的な種苗量産化技術の確立に大きな期待が高まっている。

本学水産研究所は2002年に世界に先駆けて太平洋クロマグロの完全養殖に成功し、続いて、2003年からの21世紀COEプログラムと2008年からのグローバルCOEプログラムで、本学大学院農学研究科とともに国際的な教育研究拠点を形成し、種苗量産技術のみならず、さまざまな分野にわたる貴重な応用的かつ複合的知見を多く集積してきた。今回はこれらの情報発信の一環として、本シンポジウムを開催し、多くの研究者とともに、漁協、民間養殖関連企業、養殖業関係者と一般市民の方々の200名に近い参加が得られた。

本シンポジウムは,本学副理事長・参議院議員世耕弘成氏から開会の挨拶で始まり、グローバルCOE拠点リーダー熊井英水教授が、クロマグロ完全養殖の達成にまつわる努力と経過、将来の展望について、水産総合研究センター宮部尚純氏が、世界のマグロ資源の利用状況と管理の問題点、漁獲量減少の原因、資源解析の課題について、宮下 盛氏が初期減耗の原因究明と対策などについての講演があり、午前中のプログラムを終了した。

午後からは、石橋泰典准教授が産業的な人工種苗量産化・中間育成技術開発について、滝井健二教授が配合飼料の開発と実用化ついて、塚正泰之教授は養殖クロマグロの品質・肉質改善と水銀含量について、高木 力准教授は最適なクロマグロ養殖施設の設計システムNaLA(Net Shape and Loading Analysis system)ついて、東京海洋大学大学院婁小波教授は市場経済におけるイノベーションであるクロマグロ養殖の重要性について、小野征一郎教授は経済的観点からクロマグロ養殖業の課題として、産業的な種苗量産化、配合飼料開発、漁場利用などについての講演をそれぞれ行った。

小休憩の後、小野教授がコーディネーターを務めるパネルディスカッションに入り、双日ツナファーム若杉金一郎氏が商社系養殖企業としての立場と営業コンセプトについて、水産総合研究センター升間主計氏が水産総合研究センターにおけるクロマグロ養殖研究の現状と課題ついて、村田 修教授は本学水産研究所における今後の取り組みについて、滝井教授と婁教授はそれぞれ先の講演の補足説明を行ってから、本格的なディスカッションが始まり、実際のクロマグロ養殖がかかえる問題点のうち、適正な種苗サイズと価格、イリドウイルス症とワクチン実用化、正確なクロマグロ養殖量の把握の必要性に関して、参加者も加わって熱い論議が交わされた。最後に、太田博巳教授の終りの挨拶でシンポジウムを無事終了した。

今回のシンポジウムでは、クロマグロ養殖産業には種苗量産・養成から商品流通まで、解決すべき多くの課題が残されている厳しい現状を新たに認識したが、その先には世界に向けた飛躍的な発展の可能性が待ち受けていることも実感することができた。


2009年度インターンシップ報告 金良洙 博士研究員(養殖グループ)
和歌山県水産試験場での3ヶ月間のインターンシップは、私にとって今まで習えなかった様々なことが経験できる大変貴重な期間でありました。多様な専攻を持った研究員一人一人が和歌山県の水産業を復興させるため、多様な方面から様々な研究を行っていました。

また、それらの研究に対する研究者らの熱意と情熱などは我々の近畿大学水産研究所と多く異なっていませんでした。

始めに担当させていただいた放流用クエの種苗生産は今までタイ類の種苗生産だけを研究してきた私にとっては新鮮な経験になりました。タイ類と違い、クエ仔・稚魚期において水流の強さの問題、低冠水率により貝化石の投入と底面掃除の問題、飼育中の光、騒音などでのストレスによる稚魚の斃死、変態期後の多量の共食い、多様な病気や寄生虫の問題、多量の形態異常の発生とそれらの選別問題などの様々な未解決の問題が重なり、毎日が緊張の連続でした。

それらの問題が発生するたびに各専門分野の研究員たちが意見交換し解決していく姿を見た時、どんな問題も解決できそうな思いがしました。

また、真夏のなかで行った低魚粉飼料の研究、また和歌山県の名物である梅を用いた梅マダイの研究などは、今まで浦神実験場でやってきた魚類栄養の研究と大きな違いはありませんでしたが、それぞれの研究から新しいアイディアや発想方向などを見習える大事な作業でありました。

最後に私は近畿大学に留学に来てからずっと浦神実験場での経験が全てでしたが新しい所で、新しい人と、新しく集積した経験などは私にとって色々なことを学べる素晴らしい機会になり、将来の私の夢である研究者という進路も再確認でき、大変有意な期間になりました。このような大事な機会を与えてくれた近畿大学G−COEプログラムや先生方に誠に感謝します。

和歌山水産試験場(本洞)  飼育洞 屋外水槽(15トン)

飼育洞の内部 放流用のクエ(今年生産)  内部水槽(5トン)

去年生産されたクエ クエの適正給仕量試験 食害防止試験

ブリの低魚粉試験 梅マダイ試験 クエの適正密度試験

自動給餌期試験 実験室の内部 海草の培養

調査船 生簀の全景 海側の試験場全景


Larvi 2009 ― 5 th fish and shellfish larviculture

symposium出張報告

中川 至純 助教授(養殖グループ)
平成21年9月7日から9月11日にかけて、ベルギー・ゲント大学において、Larvi09―5 th fish and shellfish larviculture symposiumが開催されました。

本シンポジウムは、魚類だけではなく、貝類や甲殻類の初期飼育全般をカバーしたもので、ヨーロッパを中心に、45カ国以上から約400人の参加者がありました。本シンポジウムは4年毎に開催されていますので、最新情報だけではなく4年間の研究成果を聞くことができます。

ポスター発表は、各自のポスターの前で発表を行うだけではなく、各セッションの口頭発表の終りに、招待講演者等がレポーターとなり、そのレポーターがポスターを要約して紹介し、会場にて著者とレポーターとの間で質疑応答を行う点が非常にユニークです。

報告者は、「Flow field control at nighttime enhances survival of Thunnus orientlis larvae」というタイトルで、飼育水槽中の流動コントロールによってクロマグロの初期生残を向上させることについてポスター発表を行いました。クロマグロに関する発表は、報告者以外に1題しかありませんでした。

ヨーロッパにおいては、クロマグロのような飼育初期に仔魚が沈降するという現象はあまりなじみがないためか、多くの参加者が目にとめ、総じて良い研究であるとの評価を頂けましたが、詳しい中身について深く議論はできませんでした。しかしながら、メキシコにおいて、孵化仔魚が沈降するブリ属の種苗生産を行っている研究者には、非常に高い評価を得ました。

また、口頭発表の会場でおこなわれましたポスターディスカッションでは、レポーターから報告者の研究が良い評価とともに紹介されました。通気量を増加させることで沈降死を防ぎ、初期生残を向上させることができましたが、どれくらいまで通気量を増やすことができるかレポーターから質問がありました。

紹介したデータは、2007年および2008年に実施したものでしたが、本年にはさらに通気量を増加させて飼育を行いました。その結果、クロマグロ仔魚は夜間の強い流動による影響はなく、高い生残率を示しました。一般に言われているような、強い流動によって仔魚が物理的に影響を受けることは無いかもしれないということをレポーターに回答しました。

特に、今回のシンポジウムでは、形態異常に関する報告が多くありました。亜鉛などの微量元素、脂溶性ビタミンの過剰など、初期の栄養による影響について注目していました。初期飼育に関するシンポジウムでありますが、科学的には満足のいくものが見受けられましたが、種苗生産現場に応用できるような研究報告は非常に少なかったように思いました。

クロージングセレモニーにおいても、より現場に応用できるような研究をすべきであると指摘がありました。世耕弘一先生の「海を耕せ」の言葉からから始まった、本学の現場中心主義によるものと強く信じる報告者による研究成果は、世界のトップレベルにあるという印象を強く受けました。

魚類の初期飼育に関する国際シンポジウムでは世界最大規模である本シンポジウムにおいて、G-COEの研究成果を発表し、かなり高い評価を得ることができました。本学の研究水準及び理念を改めて肌で感じることができました。

本シンポジウムにおける発表は、非常に有益なものとなりました。そして、国内外の研究者と熱く議論することができました。このような大変貴重な機会を与えていただきました近畿大学G-COEプログラムに感謝するとともに、更なる成功に向けて精進する所存です。


第3回魚研(ギョラボ)×カフェ 近大GCOE
『小さいけど大きな細菌』 米山和良 博士研究員(環境グループ)
2009年8月8日、第3回魚研(ギョラボ)×カフェをあしびの郷(奈良市)にて開催しました。会場の都合もあって、今回は定員20名程度と前回と比べて規模を若干縮小しての開催となりました。当日受付5名を含む21名の参加があり、カフェは満席となりました。

第3回のテーマは『小さいけど大きな細菌』で環境グループが発表を担当しました。私達の身近には、驚くほどの量の細菌がいて、様々な働きをしていることが近年の研究で分かってきました。魚の養成環境と密接な関係にある細菌を詳しく理解することは養殖産業にとって重要な課題です。そんな細菌に関する最新の研究成果を話題に3題の発表を行いました。

1題目の『海洋細菌って一体何者だろう?』では、海洋細菌のサイズや数、海洋生態系におけるその役割について紹介しました。2題目の『アユの冷水病菌』では、飼育水温を一時的に上昇させるだけで冷水病菌を死滅させる画期的な技術について紹介しました。最後の題目『仔魚飼育水中の細菌について』では、仔魚を病気にしてしまう病原性バクテリアを抑制する植物プランクトンの役割を紹介しました。

テーブル討論、総合討論では、参加者からの積極的な発言があり、充実した討議を行うことが出来ました。特に、小学生を含む幅広い年代の方から多くの質問を受けたことは、各発表者の説明が平易かつ丁寧に行われ、参加者の皆様に内容を理解していただけたものと認識しています。また、カフェの一角に設けられた体験コーナーでは、カフェ終了後も多くの方が顕微鏡越しに動く細菌を観察されており大盛況でした。カフェを通して参加者の皆様と時間を共有できたことは、我々スタッフにとっても良い刺激になりましたし、ますます研究に対するモチベーションが高くなったように思います。

集計したアンケートには、討論では発表しきれなかった質問や忌憚のない意見などをたくさん寄せて頂きました。喜ばしいことに、多数の方が「次回も参加したい」とのコメントを残してくださいました。皆様から頂いた貴重なご意見を参考にして、楽しい魚研(ギョラボ)×カフェを開催できるように今後も改善を重ねていく所存です。

詳しい報告はこちらをご覧下さい。


第10回水産養殖遺伝学国際シンポジウム出張報告 小林 徹 准教授(人工種苗グループ)
第10回水産養殖遺伝学国際シンポジウムで研究発表を行いました。

本大会は「Roles of Aquaculture Genetics in Addressing Global Food Crisis(世界的食糧危機における水産遺伝学の役割)と題して、タイ王国王女Professor Dr. Her Royal Highness Princess Chulabhorn Mahidol女史の臨席のもと、2009年6月21日〜26日の期間、バンコック市内のソフィテルセンターラグランドバンコックホテルおよびバンコックコンベンションセンターで行われました。

本大会では、世界における水産育種事業の方向性と研究推進状況が把握できました。主要研究は、各国とも選抜育種による有用系統(成長優良性、耐病性、性統御など)の作出と、それらの系統をつかった責任遺伝子の探索、およびそれらの遺伝子に連鎖している遺伝マーカーの同定であり、これらの遺伝子マーカーを用いたマーカーアシスト選抜育種への基礎を作り上げようとしていました。

特に欧米、オーストラリア、中国などは国家プロジェクトあるいは国際プロジェクトを立ち上げ、主要養殖対象種に巨額の研究費を投じ、産官学が激しい勢いで遺伝情報を構築しているのが印象的でした。日本でも、このような体制を早く築けるように働きかけることが重要と痛感した学会でありました。 


第8回インド太平洋魚類国際会議(8th Indo-pacific fish conference)参加報告(オーストラリア・パース)横井謙一博士研究員(人工種苗グループ)
2009年5月31日−6月5日にオーストラリア(パース)で開催された第8回インド太平洋魚類国際会議(8th Indo-Pacific Fish Conference)に参加しました。

本国際会議は、魚類学的な基礎研究から資源管理等の応用研究まで、魚類に関わる様々な研究内容を含み、約300題の口頭発表と70題のポスター発表が行われました。繁殖生理学に関する研究発表はそれほど多くはありませんでしたが、Griffith大学のNed Pankhurst博士による基調講演「Effect of temperature on reproductive endocrine processes in tropical fish and implications of climate change」は大変興味深い内容でした。

また、クロマグロ・ウナギ・サケ科魚類など産業的価値の高い魚種に関する研究発表も見られ、とりわけクロマグロの筋肉組織および神経支配の比較解剖学的研究は興味深く拝聴することができました。

私は、「Differences in tolerance to cryopreservation of spermatozoa between land-locked and amphidromous ayu forms (Plecoglossus altivelis)」というタイトルでアユ精子の凍結保存耐性について口頭発表を行いました。

質疑応答では質問者の英語が聞き取りやすかったため、比較的スムーズに返答することができましたが、頭の中で思い描いた通りの答えを細かく説明することは難しく、英会話力の更なる向上が必要だと強く感じました。また、今回の国際会議を通して、英語で議論する上で必要な表現力や表現方法などについても学ぶことができ、今後の研究活動の大きな糧になったと思っています。

この経験を活かし、今後も積極的に国際学会に参加していきたいと強く感じています。最後に、このような貴重な機会を与えて下さった近畿大学グローバルCOEプログラムに深謝いたします。


近畿大学グローバルCOE シンポジウム
National Taiwan Ocean University and Japan Kinki University
Students Aquaculture and Fisheries Science Symposium 福田漠生 博士後期課程2年(環境グループ)
2009年3月5日-7日に開催された、グローバルCOEプログラム国際シンポジウム“National Taiwan Ocean University and Japan Kinki University Students Aquaculture and Fisheries Science Symposium 氈hに参加するため、基隆市にある国立台湾海洋大学を訪れた。

シンポジウムは、水産養殖科学と漁業科学の2セッションで構成され、近畿大学から8題、国立台湾海洋大学から9題の報告が行われた。

それぞれのセッションでは、餌料中の脂質レベルが養殖クエの生残に与える影響や、漁獲記録から見たカツオ魚群の分布とSSTやクロロフィル量との関係などの興味深い報告があり、100名を超える参加者の中で、非常に闊達な議論がなされていた。筆者は、“養殖クロマグロの成長に伴う魚群行動の発達”と題して口頭発表を行い、実験方法について、クロマグロの遊泳力が種苗生産に与える影響についてなど、多くの質問とコメントを頂いた。

上述した今回のシンポジウムは、近畿大学および国立台湾海洋大学の学生が主体となって企画・運営されたものであり、筆者も近畿大学側の運営委員として運営に携わった。不慣れな英語(時には筆談もそれを補ったが)を用いての運営となったが、多くの先生方や両大学関係者のご協力のもとに、無事開催に至った。

現在、本シンポジウムの成果として、プロシーディング集を作成中である。企画運営やシンポジウム全体を通して、多くの学生の間で交流を深めることが出来たことは、参加者にとっての大きな収穫であったと確信している。このような機会を与えて下さった先生方とグローバルCOEプログラム関係者の皆様に、また企画運営にあたって惜しみないご協力を頂いた、李國添教授、沈士新教授をはじめとする国立台湾海洋大学関係者の皆様および大学院生の友人達に感謝致します。


第2回魚研(ギョラボ)×カフェ 近大GCOE「キンダイ的水産養殖革命」横井謙一博士研究員(人工種苗グループ)
第2回魚研(ギョラボ)×カフェは、2009年6月27日に近畿大学農学部キャンパスにて開催されました。今回の魚研(ギョラボ)×カフェは、2009年度に入って最初のカフェということで、新たに加わったスタッフも多く、段取りが掴めないながらも皆さまに楽しんでいただけるよう準備してきました。参加者数は最終的に22名となり、おおむね予定人数の参加者を迎えることができました。

今回の魚研(ギョラボ)×カフェは、養殖・人工種苗グループが発表を担当し、『キンダイ的水産養殖革命』という壮大なテーマにチャレンジしました。その内容は「新しい養殖海水の開発」と、「マグロの「あい」を語る」という2題で構成され、養殖生産の根本に関わるまさに革命的な発表内容でした。

「新しい養殖海水の開発」では、魚が病気になりにくい人工海水の開発を目指した最新の研究を紹介し、「マグロの「あい」を語る」では、クロマグロ稚魚の衝突死が魚の視覚能力の低さに関係しているという衝撃的な内容を紹介しました。天然資源が減少するなかで、私たちの食卓に安定的に魚を供給するための養殖技術の確立は非常に重要な課題であり、参加してくださった皆さまもそれをよくご存じで熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

テーブルディスカッションでは多くの質問が寄せられ、全体討論でも「天然海水と人工海水はどちらが良いのか?」や「人工海水が魚のたんぱく質に質的な変化を及ぼさないか?」、「マグロの衝突死を防ぐための対策には何があるか?」など活発な議論が交わされました。参加したスタッフも、熱心な参加者の方々から興味深い質問をたくさんいただき、とてもよい刺激になったようです。

今回の魚研(ギョラボ)×カフェは新規スタッフが多かったこともあり、いくつか運営上のトラブルもありましたが、この教訓を生かして、より一層皆さまにサイエンスを楽しんでいただけるようなカフェづくりを、心がけていきたいと思っています。

詳しい報告はこちらをご覧下さい。


近畿大学・愛媛大学グローバルCOEジョイントフォーラム2008
谷口亮人博士研究員(環境グループ)
2009年1月26、27日に、愛媛大学にて開催された近畿大学・愛媛大学グローバルCOEジョイントフォーラム2008に参加し、'Spatiotemporal dynamics of key species responsible for marine bacterial production'というタイトルで口頭発表しました。

本フォーラムでは「環境科学と養殖科学の接点(Aquaculture Science Meets Environmental Science)」と題し、近畿大学グローバルCOEプログラム「クロマグロ等の養殖科学の国際教育拠点」と愛媛大学グローバルCOEプログラム「化学物質の環境科学教育研究拠点」の合同開催でした。国内外より14名の講演者が参加し、非常に活発な討論がなされました。

愛媛大学では、養殖場環境における人為的環境負荷の実態解明に対して、環境化学的視点で積極的に取り組んでおり、多くの外国人研究者や若手研究者が先駆的研究を行っていました。フォーラムでは、特に、微生物生態に関する発表が非常に多く、養殖環境において微生物の重要性が認識されていることが窺え、またその重要な役割についての最先端の研究内容の理解を深めることができました。

発表中はもちろん、非常に重要な発表後の懇親会においても、研究者間で積極的な情報交換等が為されており、今後の両大学の研究の発展に大きく貢献するフォーラムであったと確信しています。
近畿大学